学術集会長挨拶
山崎 史郎

(熊本学園大学社会福祉学部教授)
 この度、平成22年11月27日(土)・28日(日) の2日間、熊本県立劇場(熊本市)におきまして、“日本子ども虐待防止学会第16回学術集会くまもと大会”を開催する運びとなりました。
 本大会は、「未来へ歩む子ども達を守ろう」をスローガンに、熊本から最新・最前線の情報を発信するとともに、全国の取り組み、研究成果を地域の財産として受け継いでいくことを目指します。また、県民の皆様に情報交換・交流の機会を提供し、子どもの虐待防止意識を互いに高め合うことを目指します。すなわち、「くまもとから投げかけ、くまもとで受け継ぎ、くまもとから拡げる」を合い言葉に、大会実行委員一同、精一杯頑張って参りますのでよろしくお願いいたします。
 プログラムは今後、詳細をお示ししますが、「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)を巡る諸問題」、「虐待防止問題における児童相談所の役割」「里親制度を巡る問題」「被虐待児の脳の発育」はじめ、シンポジウム、講演、分科会、一般演題ほか多彩なプログラムを用意しています。同時に、多忙な学会会期の合間にもひとときのくつろぎの時間を過ごしていただけるよう、“Compact & Hospitality (おもてなし)”のコンセプトをもって、喫茶コーナーや語らいの場を設けます。
 大会前日の11月26日(金)夕刻には、私ども実行委員会主催でプレ企画をお送りします。これは市民公開講座として開くもので、「子どもの虐待防止活動について」の紹介と、落語家三遊亭歌之介師匠による「江戸小咄にみる親子の情について」の講演、「親子をテーマにした落語」をお楽しみ頂けます。
 皆様にはぜひ本学術集会にご参集いただき、子どもの虐待防止のために共に考え、語り合っていただきますようお願い申しあげます。この学術集会が熊本県内及び全国の子どもたちの幸せにつながっていく一つの契機となることを願ってやみません。
 それでは、実行委員一同、皆様のご参加を心よりお待ち申しあげております。
山崎 史郎プロフィール(熊本学園大学社会福祉学部教授、発達心理学)
 昭和26年大阪府生まれ。昭和52年立命館大学大学院修士課程修了、広島市情緒障害児短期治療施設心理療法士となる。昭和55年から立命館大学助手、平成元年熊本短期大学助教授、平成12年より、熊本学園大学社会福祉学部教授(現在に至る)。熊本県臨床心理士会会長、熊本県精神保健福祉協会副会長、熊本県警察本部少年課被害少年カウンセラーなどを務める。公立中学校スクールカウンセラーなど、子どもの心理支援の仕事に一貫して携わってきた。恒成茂行名誉教授の後を継いで、「子どもの虐待防止コンサルテーションチーム・くまもと」代表を務めている。家族は3人の子ども達がそれぞれ独立して、現在、妻と二人暮らし。
日本子ども虐待防止学会学術集会
第16回くまもと大会実行委員長代行 
佐藤 克之

(熊本県中央児童相談所所長)
 恒成先生のご逝去により、大会実行委員長代行を務めさせていただくことになりました。
 昭和55年に熊本大学医学部を卒業し、平成2年まで長崎大学熱帯医学研究所でアフリカの寄生虫病対策に従事していました。その後は母校の小児科で指導を受け主に療育分野の仕事をやっていましたが、フィールドワークの経験を活かしたくて平成12年から保健所で公衆衛生医師として勤務してきました。今年度からは児童福祉の現場で働いていますが、まだ不慣れな事が多く職員に助けてもらいながら役割を果たしている状況です。
 時間に追われ、児童や保護者から感謝されることはあまりなく、社会的認知度も決して高いとは言えないこの分野を、どうやって質量ともに充実させていくかは大事な課題ですが、今はまだその答えを模索中です。来年の熊本での学術集会を有意義なものとするために、自分にとってこれから試行錯誤の日々が始まりますが、少なくとも現場の皆さんからは共感を得られる集いにしたいと思っています。児童福祉分野で日々奮闘されている皆さんが、全国から集ってくださることを願っています。
佐藤 克之プロフィール(熊本県中央児童相談所所長)
 昭和29年熊本県出身。昭和55年熊本大学医学部卒業、医学博士、小児科専門医。学生時代に「坂の上の雲」の秋山真之に憧れ熱帯医学者を目指す。ケニアでのJICA医療協力プロジェクトで、科学を地域社会に適合させる対策の重要性を体感、同時に医療人としての無力さを痛感(昭和55年〜平成2年)。母校で小児科学の指導を受け療育分野で勤務しつつ、公衆衛生医師となることを願う(平成3年〜11年)。平成12年より念願の保健所に勤務、地域のニーズと特性に配慮した活動を心掛け、食育や新型インフルエンザ対策等に取り組む。これまで公衆衛生人として意気軒昂ではあったが、成果は乏しく更なる修練を要す。リベラルアーツを公衆衛生分野で活かすことに拘っている。家族は妻と息子二人の四人暮らし。犬は友だち。趣味は散歩とスポーツ観戦、記録や勝負に挑む無名の競技者に我が半生を重ね、共感を覚える昨今です。
蒲島 郁夫 顧問 熊本県知事
幸山 政史 顧問 熊本市長
北野 邦俊 顧問 熊本県医師会長
福田  稠 顧問 熊本市医師会長
山崎 史郎 学術集会長 熊本学園大学社会福祉学部教授
実行委員会(50音順)
恒成 茂行(故) 実行委員会名誉委員長 熊本大学名誉教授
佐藤 克之 実行委員会委員長代行 熊本県中央児童相談所所長
内川  寛 実行委員会副委員長 熊本県弁護士会子どもの人権委員会委員長
大西 一史 実行委員会副委員長 熊本市子ども会育成協議会会長 熊本県議会議員
甲斐 國英 実行委員会副委員長 熊本県社会福祉士会会長
木村 正博 実行委員会副委員長 熊本子ども未来局長
後藤 善隆 実行委員会副委員長 熊本地域医療センター副院長
西谷 陽子 実行委員会副委員長 熊本大学医学部教授
三渕  浩 実行委員会副委員長 熊本大学医学部附属病院 新生児学講座教授
山本 髏カ 実行委員会副委員長 熊本県教育長
プログラム委員会
松倉  誠 プログラム委員長 崇城大学薬学部薬物治療学研究室教授
園部 博範 プログラム副委員長 熊本県中央児童相談所