くまもと大会の紹介のため、山崎史郎学術集会長にインタビューしました。
Q くまもと大会の目指すものは何ですか?
A ここ熊本でも、子どもの虐待問題は深刻です。児童相談所や保健福祉センターなど関係機関の職員の皆さんが努力していますが、日々の仕事に追われている状態です。何とか効果的な連携を作りだし、また、県民の皆様への啓発活動も広げていきたいと考えていました。今回、学術集会をお引き受けし、これを契機に関係者間のつながりを強め、県民の皆様にも理解を深めていただきたいと願っています。
Q スローガンは何ですか。
A 私たち実行委員会一同の願いを込めた、「未来へ歩む子ども達を守ろう」です。小さくとも私たちの社会の構成員である子ども達の、現在と未来を守っていきたいとの思いから来ています。
Q 大会の特色は何でしょう?
A 熊本からの発信ということで、「こうのとりのゆりかごを巡る諸問題」と、熊本市が中核都市として本年4月から児童相談所も新しく開設されることから、これを応援していきたい気持ちを込めて「児童相談所の近未来像と機能高度化を考える」の2つのシンポジウムを準備しています。「くまもとから投げかけ、くまもとで受け継ぎ、くまもとから拡げる」という意気込みで準備を進めているところです。
Q 他にも特色がありますか?
A 一般に研修機会に恵まれない地方都市での開催ですので、最前線で頑張っておられる実務家の皆様向けに、著名な先生方を講師にお迎えして子ども虐待問題の基礎的な知識を押さえる「教育研修プログラム」を計画しています。
また職域別実践プログラムとして、「子ども虐待問題に関する学校危機対応について」、「保健師の母子・家庭・地域保健活動」の2つをワークショップ形式などで開きます。
Q 実行委員会には、どんな方が集まられているのですか。
A 母体になっているのは、「子どもの虐待防止コンサルテーションチーム・くまもと」です。法医学者、小児科医、精神科医、弁護士、臨床心理士、児童養護施設長らの専門家チームで、熊本県中央児童相談所が扱う困難事例に対し、ケースカンファレンスを開催するなどして支援してきました。もう10年以上、活動しています。熊本大学名誉教授 故恒成茂行先生(法医学)が発起人として、また代表として引っ張ってこられたものです。本くまもと大会も先生が中心的役割をとられて進めてきたものですが、大変残念なことに昨年8月に亡くなられてしまいました。恒成先生の抜けられた分をカバーするため、「オール熊本」体制で頑張っています。
Q 学術集会長から皆さんへのメッセージは?
A 地元では会員数も少なく、困難を数えればきりがありません。しかし、くまもと大会ならではの魅力がきっとあると思います。それがうまく発揮されるよう、私たちも頑張ります。皆様もどうぞ、くまもと大会にご参集いただき、子どもの虐待防止のために共に考え、語り合っていただきますようお願い申しあげます。